「姿勢が悪いと言われる子どもに多いのは」
この様なことがよく言われます
①テーブルに頬杖をついて座る
②椅子に斜め向きに座る、椅子に片膝をつく
③長い時間座っていると体が丸くなってくる
そこで今回は
姿勢が崩れる3つの理由と改善するための簡単な取り組み方についてご紹介します。
姿勢が崩れる原因で
最も多いといわれる3つの原因
その3つとは
①体幹筋の持久力の弱さ
②習慣
③体幹筋の低緊張
① 体幹筋の持久力強化には遊びや「お手伝い」を!
体幹筋とは、腹筋と背筋で構成される筋肉の総称です。
この体幹筋が弱いと、背中をしっかり伸ばして保てず猫背などの原因にもなります。
筋肉には、ジャンプなど「瞬発力」
ウォーキングなどの「持久力」があり、姿勢保持に必要なのは「持久力」です。
幼児や小学生などのお子さんは、遊びの中で体幹筋の強化や持久力の向上を目指しましょう。
例えば、おしくらまんじゅう、手押し車、ケンケンパ、などの昔遊びは動きの中にその要素が盛り込まれています。
また、ジャングルジムやブランコ、うんてい、などの遊具を使った遊びも有効です。
あとは、雑巾がけやお風呂掃除などのお手伝いも有効ですので、時間を競ったりするなどゲーム要素を取り入れてやってみるのもいいでしょう。
② 「習慣」付けのポイントは「親のお手本」
姿勢が崩れる2つ目の理由として
「姿勢を正しく保つという習慣がない」ことです。
ソファーに崩れた姿勢で座ったり、椅子にもたれた状態で座る。
すぐに寝転がるなどの生活だと、日常の中で、姿勢を正しく保つ習慣は育たないでしょう。
なぜ習慣が大切かというと、人の何かを繰り返すことで、無意識でもできるようになるからです。
例えば、歯を磨きは考え事をしながらでも無意識にできますよね。
正しい姿勢を保つということも脳が覚えることができれば、意識しなくてもいつでも良い姿勢が保てるようになるのです。この習慣をつけるために、親が「お手本を見せ真似させていくことが有効です。
子どもは何事も真似をすることで学んでいきます。
③ 「低緊張」の場合、子どもを叱るのはNGです!
「低緊張」とは、筋肉の張りが弱い状態をいいます。
筋肉は、普通にしていても、脳からの指令によって、ある程度の張りが維持されています。
例えば
平均的な張り具合を「100」とすると、脳から「120」と指令が出ている人は、過緊張(筋肉の張りが強い)状態になり、「80」と脳から指令が出ている人は低緊張(筋肉の張りが弱い)状態になります。
この張り状態は、無意識に脳がコントロールしているため、自分の気持ちや意志の強さなどは関係しません。その人の「個性」です。
こういった理由から、低緊張タイプのお子さんの場合、筋力強化や習慣付けだけで姿勢の崩れを改善させることは難しいでしょう。
そのため、対処方法として、姿勢が崩れにくい環境を整えてあげることが大切です。
具体的には、座面に滑り止めを敷いてあげることでお尻がズレないようにしてあげたり、体に合った椅子を選ぶことなどです。
体に合った椅子とは、足を床についた状態で、足首・膝・股関節がそれぞれ直角になる位置になるのが理想的な椅子のサイズです。
なお、このような環境設定については、どんなお子さん(上記の①②タイプのお子さん)にも効果的ですので、ぜひ参考にしてみてください。
また、低緊張のお子さんの中には、発達障害を持つお子さんも一定数おられます。こういったお子さんの場合は、自分に対する自信がなく、運動にも苦手意識を持っている子が多くいます。
そのため、「運動を頑張りなさい」と強制することは、さらに運動嫌いになるだけでなく、「自分にはできない」「自分はダメな人間なんだ」と今以上に自己肯定感を下げてしまうリスクがありますので、できることを認めつつ、声掛けや小さな成功体験を積み重ねることが大切になります。
まとめ
子どもの姿勢が悪い要因は、大きく分けて3つあります。
①体幹筋の持久力の弱さによるもの
②習慣によるもの
③低緊張によるもの
改善に向けての取り組み方法は次の通りです。
①昔ながらの外遊びや、遊具遊び、お手伝いなどの活動を通して体幹筋の持久力を高める
②良い姿勢を自然に見て学べるように、大人が見本を見せていく。
③椅子に滑り止めを敷いたり、椅子の高さを体に合わせてあげるなど、環境設定を行う。
低緊張のお子さんの中には、自閉症スペクトラムなど発達特性のあるお子さんもおられます。苦手意識のある運動を無理やり取り組ませることは、自己肯定感を下げる要因になってしまうため、出来ることから小さな成功体験を積み重ねるよう楽しくな配慮が必要です。